失禁は、排尿を制御できずに尿が漏れてしまう状態を指します。 例えば、トイレに行く途中で漏れたり、下着を下ろす間に漏れたりすることがあります。 このような失禁は、主に膀胱と脳の間の信号伝達がうまくいかず、膀胱が勝手に収縮してしまう過活動膀胱が原因です。 体重を減量するだけで尿漏れが改善する場合もあります。 また、過活動膀胱の場合、尿意を感じても膀胱に尿はあまりたまっていないため、尿意を我慢する訓練を行い、徐々に排尿間隔を広げていくことが一般的です。 排尿に関する問題や改善点を明らかにするために、排尿日誌をつけることも効果的です。 尿失禁は、自分の意思に関わらず尿が漏れる状態を指します。 女性の約40%が経験しており、悩んでいる人は実はたくさんいますが、恥ずかしいので我慢している人がほとんどです。 しかし、尿失禁の状態や原因に応じて、適切な治療方法がありますので、我慢せずに泌尿器科を受診しましょう。 毎日の排尿の状態を見直してみてください。 尿漏れとの別れには一歩踏み出す勇気が必要です。 大きな子宮筋腫がある場合にも尿失禁の原因になることがあります。 尿失禁は主に腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の2つに分類されますが、両方の症状が混在している場合もあります。 腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみをするなどお腹に力が入った時に尿が漏れてしまう状態を指します。 原因としては、尿道を支えている骨盤底筋群がゆるんでしまうことによって起こります。 加齢や出産が契機となることが多く、軽い症状の場合にはリラックスした姿勢で肛門や膣をゆっくり5秒間締めることを繰り返す骨盤底筋トレーニングが効果的です。 重症の場合には手術療法が適切な治療法となります。 膀胱は本来、広がることで尿を溜め、縮むことで排尿する役割を果たしていますが、切迫性尿失禁は急に尿意を感じ、我慢できずに漏れてしまう状態で、トイレが近くなり、外出中などで大変困ることがあります。 このような状態は、膀胱が勝手に収縮することによって起こりますが、骨盤臓器脱が原因となることもあります。 切迫性尿失禁は、過活動膀胱という概念の1つとしても分類されることがあります。 治療としては、肥満がある場合には体重を減らし、水分やカフェインの摂取を制限する必要があります。 また、膀胱容量を増やすためには、尿意があってから排尿を我慢する訓練を行うこともできます。 尿失禁の中でも、腹圧性尿失禁は重い荷物を持ち上げたり、走ったりジャンプをしたりする時に尿が漏れてしまう症状です。 女性に最も多く見られ、骨盤底筋群という骨盤底の筋肉の緩みが原因です。 加齢や出産、荷重労働や強いいきみ、喘息などが骨盤底筋を傷める要因とされています。 切迫性尿失禁は、急に尿がしたくなり我慢できず漏れてしまう症状です。 トイレに行きたくなったり、トイレに走る状況で起こることが多く、外出中や乗り物に乗っている際に困ります。 原因としては、脳からの指令による排尿のコントロールがうまくいかなくなる脳血管障害などがありますが、多くの場合は膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁を引き起こします。 男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因となります。 溢流性尿失禁では、尿を出したいのに出せず、少量の尿が漏れてしまいます。 この症状は、排尿障害が必ず前提となります。 前立腺肥大症などの影響で尿が出にくくなることが一般的です。 また、直腸癌や子宮癌の手術後などにも、膀胱周囲の神経の機能が低下して溢流性尿失禁が起こることがあります。 歩行障害によりトイレにたどり着くことができない場合や、認知症によりトイレで排尿ができない場合などが該当します。 この尿失禁の治療には、介護や生活環境の改善などを含めて総合的に取り組む必要があります。 尿失禁の診断については、まず問診と診察を行います。 ほとんどの場合、検尿やパッドテスト、エコーによる残尿量測定など、身体に負担の少ない検査で診断がつけられます。 必要に応じて、内診台での診察や膀胱尿道造影検査、尿流動態検査、膀胱鏡検査などの詳細な検査を行うこともあります。 また、肥満の方や急激に太った方には、体重減少も効果があります。 さらに、飲水のコントロールや骨盤底筋トレーニング、尿意があっても少し我慢する膀胱トレーニングなどの行動療法を併用します。 これらの治療法は、症状を緩和するのに役立ちます。